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雨漏り被害を受けた金屏風の修理事例:カビ・シミを取り除き、輝きを再び取り戻すまで

はじめに:雨漏りで傷んだ金屏風の修復依頼

ある日、佐賀県の屋根工事会社さまから「金屏風の修理ができないか」というお問い合わせをいただきました。その背景には、お客様宅で発生した雨漏りトラブルがあり、その際の水分や汚れが原因で金屏風にカビやシミが広がってしまったのです。

金屏風は湿気や水分に非常に敏感な調度品であり、いったんカビが生じたり、汚れが浸透したりすると、簡単には修復できません。今回は、実際に雨漏り被害に遭った6尺金屏風を修理した事例をもとに、どのような工程で再生させたのかをご紹介します。

1. 修理前の状態:シミ・カビ・下地劣化

シミやカビの発生

雨漏りによる水分が金屏風に染み込み、本紙(作品部分)はもちろん、金紙にも大きなシミやカビが発生していました。金箔の角の部分にもシワが入り、雨漏りの痕跡がはっきりと残っている状況です。

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本紙に大きなシミが。金紙にも角にしわがよっています。カビも見受けられました。

裏面へのダメージ

さらに裏面も、かなり深刻なシミが見られました。雨漏りによって運ばれた汚れや雑菌が裏紙まで達しており、全体的に変色やカビが広がっている状態でした。

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裏面もしみだらけで、表面以上にダメージが顕著でした。

下地の劣化

長期間にわたる雨漏りの影響で、骨組みや下地素材も水を吸って弱体化していました。そのため、従来の下地を再利用するのは難しく、新調が必要と判断したのです。

2. 修理工程:本紙の「洗い」から裏打ち、新しい金屏風への貼り込みまで

(1) 金具や部材の再利用

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金具などの再利用可能な部品は丁寧に取り外し、保管しておきます。金具そのものは状態が良い場合が多く、装飾やコスト面で再利用がメリットとなることもあります。

(2) 本紙の剥離と「洗い」工程

雨漏りによる汚れやカビを取り除くため、まずは本紙を既存の下地から慎重にはがします。次に、「洗い」と呼ばれる工程で、シミ・カビなどの汚れをできる限り除去。水溶液や専用薬剤を使って、本紙を傷つけないように汚れを落とします。

洗い、裏打ち後 (4)
シミやカビがある程度落ち、裏打ちしやすい状態へと整えました。

(3) 裏打ち:和紙による補強

洗い終えた本紙は、新たな和紙を裏から貼り付ける「裏打ち」で補強します。これにより、本紙の強度が増し、折れやシワの発生が抑えられると同時に、カビなどの再発も防ぎやすくなります。

(4) 新しい金屏風への貼り込み

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下地は経年劣化や雨水の影響で使えないため、新調した屏風土台へ本紙を貼り込んでいきます。ここで、修理前の金紙の雰囲気を最大限再現できるように、同じような質感・色味の金紙を用いることが大切です。

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裏面についても、似た色合いの布や紙を選び、バランス良く仕上げます。こうして、雨漏りでダメージを受けた金屏風が再び美しく蘇るのです。

3. 仕上がり後の効果:再び光を放つ金屏風

外観と耐久性が向上

修理が完了した金屏風は、シミやカビの痕跡がほとんど分からないほど綺麗な状態に戻りました。裏面の仕上がりも含めて、一新された下地と金紙が放つ黄金色の輝きが目を引きます。

お客様の安心感

「もうダメかと思った金屏風が蘇った」と、依頼主の屋根工事会社だけでなく、そのお客様も大変喜んでいただけました。雨漏り問題は解決し、本来あるべき空間の姿を取り戻すことができました。

4. 雨漏り被害からの教訓:早めの対応が肝心

金屏風をはじめとする和の調度品は、水分や湿気に敏感です。雨漏りトラブルが発生したら、できる限り早く専門家に相談することが大切。時間が経つほどカビやシミが進行し、修理コストや難易度が高くなります。

  • 早めの発見:湿気や異臭など、少しでも気になる兆候があれば点検を依頼
  • 応急処置:雨水の侵入を止め、金屏風に付着した水分をタオル等で抑える
  • 専門家への連絡:屏風本体の洗い・裏打ちなど高度な修理が必要な場合はプロへ

5. お問い合わせ:金屏風の修理・雨漏り被害のご相談はお早めに

雨漏りで傷んだ金屏風の修理は、適切な工程と専門技術が欠かせません。弊社では、長年培った職人技と最新のデジタル技術を融合し、洗い・裏打ち・下地新調など多様な手法で金屏風を再生いたします。

こんな場合、ぜひご相談ください

  • 雨漏りで金屏風にカビやシミが広がった
  • 古い下地が傷んで再利用できないかもしれない
  • 修理コストや工期の見通しを知りたい
  • 他社で断られた難しい修理案件を抱えている

    再び光り輝く金屏風を取り戻し、空間を華やかに彩りませんか?専門家による確かな修理サービスを通じて、大切な和の文化財を次の世代へと受け継いでいきましょう。

    まとめ

    雨漏りによるダメージは金屏風にとって致命的な問題に思えますが、正しい技術と適切な工程を踏めば、シミやカビもかなりの範囲で除去でき、美観と機能を取り戻すことが可能です。大切なのは「早期発見」と「プロへの相談」。本記事で紹介した修理事例のように、困難と思われる状態からでも蘇る可能性があります。

    もし同様のトラブルにお悩みの方は、ぜひ一度専門家までお問い合わせください。雨漏りで傷んだ金屏風が、もう一度あなたの空間で輝きを放てるかもしれません。

    金屏風修理・雨漏り対策に関するご相談はこちら
    最適な修理プランや費用の目安など、丁寧にご案内いたします。お気軽にご連絡ください。

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