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釘隠し仕様でスッキリ仕上げ! 背の低い屏風の美観を保つ施工方法とは

1. はじめに:背の低い屏風における釘の問題

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一般的な七尺(約212cm)や八尺(約242cm)といった高さのある屏風の場合、上側の縁(ふち)を留める釘が人目に触れることは少なく、直に打ち付けてもさほど見栄えを損なうことはありません。しかし、枕屏風や利久屏風など背が低めの屏風では、上縁に打ち付けられた釘の頭がどうしても目立ってしまいます。

そこで注目されるのが釘隠し仕様です。この記事では、どのように釘やビスを隠して仕上げるのか、その具体的な施工手順やポイントを解説します。

2. 釘隠し仕様とは? 仕上がりの美観を高める工夫

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釘隠し仕様とは、縁の裏側に穴やレール溝を設け、そこに釘やビスの頭を隠してしまう施工方法です。釘頭が見えないことで、屏風全体がすっきりとした印象になり、背の低い屏風の美観を保てるのが最大のメリットです。

2-1. 通常施工との違い

  • 通常施工:釘やビスを直接、縁の表側から打ち付ける。上縁を見下ろす位置では釘頭が見える。
  • 釘隠し仕様:縁の裏側に設けた溝を活用し、釘頭やビス頭をレール溝の中に収める。見た目に釘がほぼ露出しない。

3. 施工に使う素材・道具

3-1. 穴とレール溝が加工された縁

もっとも重要なのは、裏側に穴とレール溝を加工した専用の縁です。これによって、釘やビスの頭を縁の中に“隠す”ことが可能になります。

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3-2. 皿頭ビス(または釘)

  • 皿頭(さらあたま):ビスや釘の頭が斜面状になっているタイプ。
  • レール溝よりわずかに大きい径の頭を選ぶ:ビスや釘がきっちりと溝をえぐって進み、しっかりと固定される。

3-3. 接着剤

縁と下地が接する面に塗ることで、ビスや釘の打ち込みだけでは得られない安定感を生み、縁をより強固に固定します。

3-4. 木槌やゴムハンマー

レール溝にビス頭を引っかけながら縁を上に押し上げる際に使用します。金槌(かなづち)よりも木槌やゴムハンマーが適切です。金属のハンマーだと縁を傷つける恐れがあるためです。

4. 施工手順

4-1. 下地にビスまたは釘を打つ

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  1. 縁の裏側を確認して、穴とレール溝の位置を把握する。
  2. 下地(屏風の枠組み)の上面にビスまたは釘を仮留めしていく。
    • 注意:ビス頭のサイズはレール溝より少し大きめを選ぶ。
    • 頭が溝にひっかかる位置・角度を慎重に確認する。

4-2. 接着剤を塗布する

  1. 下地と縁が密着する面に、薄く均等に接着剤を塗る。
  2. 接着剤がはみ出さないように丁寧に塗布する。

4-3. 縁を被せて打ち上げる

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  1. ビスや釘の頭に縁のレール溝を合わせるように、上からかぶせる。
  2. 木槌やゴムハンマーで縁の後ろからやさしく叩いてはめ込んでいく。
    • レール溝の中でビスや釘の頭が引っかかり、進みながら縁が徐々に固定される。
  3. 微調整しながら縁の位置を確定させる。

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4-4. 接着剤の乾燥を待つ

  • ビスや釘である程度は固定されているが、接着剤が乾くとさらにしっかりと縁が安定する。
  • しばらく動かさずに、所定の乾燥時間を確保する。

5. 施工のポイントと注意点

5-1. 釘頭の大きさ選び

レール溝より小さすぎると、ビス頭が溝をうまく噛まずにガタつく恐れがあります。逆に大きすぎると、縁がはまらないことも。適度なサイズの釘頭やビス頭を選ぶことが肝心です。

5-2. ハンマーの力加減

縁をはめ込む際、強く叩きすぎると縁の素材や表面の和紙・布を傷つけてしまう恐れがあります。少しずつ叩いて位置を合わせることを意識しましょう。

5-3. 接着剤のはみ出し注意

接合面に接着剤を塗る際、量が多すぎると縁の側面からはみ出す場合があります。目立つと仕上がりの美観が損なわれるので、はみ出しそうな場合はすぐに拭き取るのがベターです。

5-4. 強度の確認

縁がしっかりはまっているか、接着剤が乾いた後にもう一度チェックすると安心です。場合によっては、微調整を行うか、追加のビスを打つなどの修正が必要となることもあります。

6. 仕上がりの魅力:スッキリ&品のある屏風に

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釘隠し仕様によって、背の低い屏風でも釘頭やビス頭が目に付かないスッキリした外観に仕上がります。伝統的な金屏風だけでなく、モダンな洋風屏風や枕屏風にも応用可能。見た目の美しさを妨げないのはもちろん、釘頭に手や衣服が引っかかるリスクも減るため、利便性も向上します。

まとめ:釘隠し仕様でひと手間かける価値

通常の施工よりやや手間はかかるものの、釘隠し仕様を選ぶことで屏風の仕上がりは格段に美しくなります。特に目線の高さや座敷に設置する低めの屏風では、釘頭が露出するのと隠すのとでは印象が大きく異なるもの。

「釘の頭が見えない、スマートな屏風を作りたい」「既存の屏風を釘隠し仕様にリメイクしたい」という方は、お気軽にお問い合わせください。私たち泰山堂では、伝統技術と現代の工夫を組み合わせ、お客様のご要望に合わせた最適な屏風作りや修理をサポートいたします。

「これくらいの高さなら、そんなに目立たないでしょ?」と思うような背丈の屏風でも、実際に座敷で使ってみると釘頭が目線に入って気になる……なんてことも。ぜひ釘隠し仕様をご検討いただき、見た目の美しさと安全性を両立した屏風をお楽しみください。

明治20年創業の金屏風専門店:泰山堂

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