はじめに:120年以上の伝統を新分野へ
当社・泰山堂は、120年以上にわたり金屏風やパーテーションなどの製作で培ってきた「貼る」「組み上げる」という技術を活かし、最近では新しい分野への挑戦を行っています。多くの方は「屏風=金箔+和紙」という伝統的なイメージをお持ちかもしれませんが、それだけではありません。古来からの技法を応用することで、ホテルの客室やロビー、レストランなどの空間をより魅力的に演出するインテリアアイテムを続々と開発しているのです。
今回は、その一例として「ホテルの客室用装飾パネル」をご紹介します。
1. 屏風の伝統技術をホテル装飾に活かす理由
1-1. イベント・宴会用だけではない幅広いニーズ
これまで当社は、宴会場用の金屏風やパーテーションといった「式典・イベント関連商品」の製作を長年続けてきました。特にホテル関係者からは、納期や耐久性、デザイン性など多様な要望があるため、培ったノウハウは相当なもの。その中で生まれたのが、「客室や共用空間を彩るアイテムがほしい」という要望でした。
1-2. 「貼る」「組み上げる」技術の汎用性
- 貼る技術:和紙や布地などの素材を、下地にシワなく、ムラなく貼り込む
- 組み上げる技術:木枠や蝶番などで構造を作り、軽量かつ丈夫に仕上げる
屏風製作のプロセスで磨かれたこれらの技術は、壁面アートパネルや客室のヘッドボード、オブジェなどにも応用が可能です。
2. 事例紹介:ホテル客室用デニム生地パネル
2-1. 木の下地にデニムを貼り込む
今回ご依頼を受けた装飾パネルは、フレームやボード部分を木材で構成し、その上にデニム生地を貼り合わせたものです。1枚ずつ丁寧に貼り込むため、下地の平滑度や糊の扱い、デニム特有のシワが出ないようする職人技が求められます。
2-2. 備後デニムを採用し、地域色をアピール
使用したのは、当社の本拠地・広島県福山市が誇る備後デニム。世界的にも評価される高品質な織りであり、特有のブルーグラデーションが美しいのが特徴です。ホテルは地元産業の魅力を活かしたいという思いから備後デニムを選択し、地域のPRにも繋げています。
2-3. 部屋の雰囲気を引き締めるアクセント
完成したデニムパネルは、ホテル客室のベッドヘッド上部に設置されることが多く、空間のアイキャッチとして機能します。ブルー系のコントラストが、白い壁面や木目の家具と相まってスタイリッシュな印象を与え、ゲストの目を楽しませます。
3. どんな空間演出が可能か?
3-1. ファブリックアートパネルとして
デニム以外にも、さまざまな布素材に対応可能です。たとえば、
- 和柄の着物生地を用いたジャパニーズモダンな空間演出
- 合皮などのレザー素材を用いたシックでラグジュアリーなインテリア
- カーテン生地と合わせたトータルコーディネート
「貼る」技術をベースに、多様なファブリックアートパネルへ展開できます。
3-2. マルチパネルの組み合わせで変化を演出
画面を複数のマス目に区切り、異なる色やトーンのデニムを組み合わせることで、モザイクのような表情を出すことも可能。インテリアデザイナーやホテル側のテーマカラーに合わせて自由にアレンジできるのも、オーダーメイドならではです。
3-3. 騒音や調湿効果にも期待
厚みのある布や和紙を使うと、壁の反響音を軽減したり、調湿効果が得られたりする場合もあります(※あくまで副次効果として)。客室の快適性アップにも一役買う可能性があります。
4. オーダーメイドの流れ
- ヒアリング:どんな素材・色味・サイズ・コンセプトか
- デザイン提案:布サンプルやフレーム素材の見本を提示
- お見積り・納期確認:仕様が固まった段階で正式なお見積りを作成
- 製作開始:木枠の加工、下地処理、布貼り、仕上げ
- 最終検品・納品:色味・貼りムラ・強度を確認し、お客様へ納品
画一的な規格品ではなく、一つひとつ手仕事で作り上げるため、細部までこだわった仕上がりを実現できます。
5. 参考記事:デニム生地での屏風オーダーメイド
こちらの記事では、銅箔を施したデニム生地を使った「屏風」製作の詳細を紹介しています。客室パネルに限らず、多様な素材×伝統技術による新しいインテリア表現を探りたい方は、ぜひあわせてご覧ください。
6. お問い合わせ・ご相談
もし「ホテルの客室をもっと個性豊かに演出したい」「デニムや布素材でアートパネルを作りたい」といったご要望がありましたら、当社までお気軽にお問い合わせください。以下のボタンよりお問い合わせフォームへ進んでいただけます。
どんなイメージでも、「貼る」技術を活かして最適な方法をご提案いたします。
まとめ:屏風技術で広がるインテリアの可能性
伝統工芸としての屏風製作は、単なる「和の装飾品」に留まりません。120年を超える当社の技術があれば、デニムや合皮など異素材を組み合わせ、ホテル客室やレストラン、オフィスの壁面アートなど、多方面で個性豊かなアイテムを生み出せます。
- 金屏風→壁面アートパネルへ進化
- 組み立て構造や布貼り技術で新たなデザインを追求
「屏風=伝統」と考えられがちですが、その応用範囲は意外なほど幅広いもの。当社は今後も「貼る」「組み上げる」技術を軸に、お客様の要望に寄り添ったオーダーメイド提案を続けてまいります。ぜひ、あなたの空間を彩る新しいアイディアづくりのパートナーとして、お気軽にご相談くださいませ。
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