実例 – 金屏風の丁番修理
金屏風の修理のご依頼をいただきました。
丁番がバッサリと切れてしまっており、ガムテープで補強して使用されていたようです。
本来、屏風の丁番修理の場合は表貼りもすべて貼り換えとなります。
ですが今回は、書の入った表貼りを生かしたまま、丁番を取り換えたいとのご要望です。
試行錯誤の末に、表貼りをほんの少し(5mm程度)だけめくり、紙丁番を差し込んで糊付けしました。
そして、厚手の紙でしっかり羽根くるみをして補強します。
丁番が表に少ししか掛かっておらず、脆弱なためです。
あとは裏張りを新しく取り換え、縁打ちオゼをして完成です。
左:修理前 右:修理後 です。
今回は屏風の表貼りがたるんでいたり、大きく破れたりという事が無かったため、上手く繋ぐ事ができました。
長年の屏風づくりで培ってきた、経験と知識の成せる技ですね。