オーダーメイド相談
2018.9.5
和紙を用いた屏風は、金箔屏風や絵屏風と並び、日本の伝統工芸の一角を担う存在です。しかし、近年ではこうした「和のエッセンス」をモダンにアレンジして、海外のインテリアや特別な空間演出に取り入れたいというニーズが高まっています。
本記事では、桜柄の鮮やかな和紙を使った小ぶりサイズのオーダーメイド屏風製作事例をご紹介。繊細な桜のイラストやグラデーションが美しく映え、海外への輸出にも最適な一枚が完成しました。ぜひ、特別な空間づくりのヒントとしてご覧ください。
今回ご依頼いただいたのは、海外向けに高さ約1.4mほどの小さめの屏風を製作すること。一般的な「6尺サイズ(約1.8m)」より低めに設計し、海外のホームユースやイベント空間にも設置しやすいように配慮しました。
最大のポイントは、お客様が指定された桜柄の和紙です。ピンク~白へのグラデーションに、満開の桜模様があしらわれたデザインで、一目で華やかな印象を与えます。

関連リンク:
使用した和紙はこちら(※外部サイトへのリンク)
http://kamism.co.jp/product/detail/?pno=KP4075
一般的な金屏風や鳥の子紙を貼ったシンプルな屏風に比べると、こうした柄付き和紙はそれだけで装飾性が高く、絵や書がなくても十分に目を引きます。
一方、和紙の厚みや質感によっては、折り曲げるときにシワが寄りやすかったり、接着面で色落ちが起きたりするリスクもあるため、職人の経験が大いに試される場面となります。
桜柄の和紙は、上部から下部にかけてピンク色が徐々に薄くなるグラデーションで構成されています。上部分は濃いピンク、下部分に行くほど白に近づくことで、全体が淡い春の霞のような雰囲気に。
日本を象徴する「桜」は、海外でも人気の高いモチーフです。特にピンクと白のコントラストは、和紙ならではの柔らかい表現と相まって、観る人の心を和ませます。
この和紙のもう一つの特徴は、繊維を浮き立たせたような凸凹感です。触れるとふんわりとした質感があり、光の当たり方によって微妙に陰影が生まれます。
まずは、屏風の下地となる木骨格(こっこかく)や厚紙(ウレタンボードなど)を用意し、折り曲げ部分(丁番位置)の寸法を正確に測ります。
和紙を貼る際の最大の難関は、「繊維の凸凹」で接着剤が均等に行き渡らないリスクと、グラデーションを面ごとに綺麗に合わせる点です。
屏風を折りたたむ丁番(蝶番)は、「紙蝶番」「ピアノ蝶番」「折衷型」などいくつか種類があります。
最後に、各面の縁や見切り(折り曲げ部分)を塗装や金具で処理することで全体のデザインを引き締めます。

出来上がった屏風は、上部に濃いピンク、下部に淡い白へと変化するグラデーションと、満開の桜模様が見事なアクセントになっています。実際に飾ってみると、ただそこに立てかけるだけで、部屋全体が一気に春めく雰囲気に。
和紙特有の凹凸や繊維によって、照明や自然光の当たり方で微妙に色合いや質感が変化します。昼と夜、照明の角度など、同じ屏風でも異なる表情が見られるのは大きな魅力。
実際に海外に納品された事例では、現地の方々から「Sakuraがテーマになっているのがとても素敵」「日本らしさを感じられる上にモダン」と好評だったとのこと。
海外向けへの注意点としては、輸送中の衝撃や気候の違い(乾燥や湿気など)に対応するための梱包・保管をしっかり行う必要があります。
今回のような桜柄だけでなく、さまざまな柄や素材の和紙を用いて、オーダーメイドで個性的な屏風を作ることが可能です。
鮮やかな桜柄和紙を使用した小ぶりの屏風は、海外からのオーダーにもぴったりな和モダンのインテリアです。グラデーションや桜模様の絶妙な組み合わせは、季節感を演出しながらも主張が強すぎず、多様な空間に溶け込む柔軟さを持っています。
和紙自体の表情が豊かであるため、伝統的な絵や書がなくても十分な存在感を放つのが大きな魅力。さらにコンパクトなサイズは取り回しがしやすく、海外への輸送も比較的スムーズに行えます。
もしも「海外のお客様に日本らしさを伝えたい」「店舗や自宅に季節の彩りを取り入れたい」というご希望があれば、こういった桜柄和紙のオーダーメイド屏風を選択肢に加えてみませんか? 和紙の質感や柄、サイズなどは多種多様で、ご希望に応じたカスタマイズも可能です。お気軽にご相談ください。
桜の華やぎを背に、空間に春の彩りを添えてみましょう。日本の伝統とモダンデザインが融合した一枚が、日常に少しだけ特別な時間をもたらしてくれるはずです。
オーダーメイド相談
2024.12.25
オーダーメイド相談
2019.1.23
オーダーメイド相談
2019.1.9
オーダーメイド相談
2018.12.19
Contact
サービス・弊社についてまずはお気軽にお問い合わせください。