屏風屋ブログ
2016.11.29
金屏風や装飾パネルなど、大きな平面に金箔を貼り込む際の技法を「平押し(ひらおし)」と呼びます。これは最も一般的な金箔加工手法と思われがちですが、じつは仕上がりを左右する要素がたくさんあります。
「ただ金箔を並べて貼っただけ?」と思われる方もいるかもしれませんが、実はその金箔の質や職人の技術が大きくものを言う、非常に繊細な工程なのです。
金箔を大きな平面に貼る際、まず重要なのは「金箔そのものの品質」です。
大面積に貼る場合、金箔同士がつなぎ目でズレたりしわが生じたりすると、一目で分かってしまいます。また、接着時にわずかなキズがあると、下地や接着剤に影響を及ぼし、貼りムラや剥がれの原因になることも。
そのため、一定の品質基準を満たす高級金箔でないと、平押しを美しく仕上げることは困難です。
金箔の質が良くても、それを扱う技術が伴わなければ台無しになってしまいます。平押しにおいて、職人が特に気を配るポイントをご紹介します。
接着剤の調合と塗布
箔の配置と張り合わせ
余分な箔の処理
乾燥・定着
作業中にほんの少しの粗があっても、仕上がりで大きく目立ってしまいます。長年の経験に基づく手の感覚や道具使いが、金箔の輝きを最大限に引き出す鍵となるのです。
もっとも代表的なのが金屏風です。式典やホテルの宴会場で使用されるだけでなく、近年は美術複製の一環としてレプリカ屏風の制作や、個人宅のアートパネルとしても人気があります。
ホテルのロビーや神社仏閣の内装など、大面積に金箔を貼り込むケースも少なくありません。平押しによる豪華な輝きは、空間全体の格を一気に引き上げます。
小物や置物など、比較的コンパクトなアイテムにも平押しは応用可能。伝統工芸品はもちろん、現代的なデザインの雑貨やアートにも金箔が取り入れられています。
創業120年以上の歴史を誇る泰山堂では、金箔の選定から箔押し、仕上げまで一貫して高品質を追求しています。
金箔を平面に貼り込む「平押し」技法は、見た目以上に高度な技術と上質な素材が求められます。金箔の品質が大きな比重を占めるのはもちろん、職人の熟練度や接着剤の調合など、様々な工程が複雑に絡み合って初めて、あの美しい輝きが生まれるのです。
泰山堂では、常に品質に妥協せず、お客様の多彩な要望に応えるべく日々技を磨いています。もし金箔を使ったスクリーンやパネル、あるいは修理やリメイクをお考えでしたら、どうぞお気軽にご相談ください。あなたの空間を一段と格調高く彩るお手伝いをいたします。
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